発酵のぎもん vol.9
発酵料理のおかげで体調を崩さず元気いっぱいの私ですが、さすがに感染禍の現状に気が滅入りがちな今日この頃。さらに猛暑に豪雨と、ちょっぴり身体にもこたえますね。
と、こんな暗い話ではなく、「発酵とSDGs」。乳酸菌が未来に大きな希望を与えるとても明るいお話です。
連日の異常気象は地球温暖化によるものですが、今回は特にその大きな原因となっているプラスチックに注目してみます。
皆さまご存知のとおり、石油由来のプラスチックは燃やす際にでる温室効果ガス(メタンガスなどの有害物質)だけでなく、海洋に漂う片が食物連鎖で私たちの人体に蓄積され悪影響を及ぼすことも問題となっています。
また石油に代わる植物性の代替プラスチックであっても、原生林が破壊されることで二酸化炭素が放出されるという皮肉な現象。
そんな脱プラスチックが取り組まれる中、乳酸発酵による「ポリ乳酸プラスチック」が近年注目されています。
理由は、その原料にあります。石油や石炭などの化石資源ではなく、光合成により生産されるとうもろこしやサトウキビといった植物由来の再生可能資源を使用するため、別名「サスティナブルプラスチック」とも呼ばれています。更に植物の生育過程で二酸化炭素を吸収しているので焼却しても大気中の二酸化炭素は差し引きゼロ!(=カーボンニュートラル)。
使用後も水と二酸化炭素に分解され自然に戻り、また光合成によりプラ生成される理想的な循環サイクル。加えて、乳酸の働きにより抗菌性を有し、添加剤などを使わなくても抗菌効果があるのも魅力。
ポリ乳酸は、レジ袋や食品トレーなど身近なものだけでなく、手術の縫合糸として医療でも活用されています。また最近では強度も改良され、携帯電話や自動車部品などへの実用化も進んでいるそうです。
乳酸菌は、健康から環境まで整えてくれる可能性無限大の救世主だと思います。私たちが直ぐできることはこうした資源を繰り返し大切に使うこと、また世の中の新しい取り組みを知ることでしょうか。
長い独り言になりましたが、発酵の魅力が少しでも皆様に伝われば幸いです。
もう暫し辛抱の時期が続きそうですが、免疫力をおとさぬよう、どうか皆様が心身健やかに過ごされますように。
(写真は全て、私が余暇で訪れた場所です。)
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2022.08.06 13:15